ピクエ(Pique:ピクゥエ、ピクウェ)は、象牙、べっ甲、真珠母貝などの有機素材の表面に、金、銀、真珠貝を象嵌したものを言います。ピクエに使用する金属は、薄いものではなく1㎜程度も厚みのあるものを使います。しかし、その表面は、象嵌したとは思えないほどの滑らかな仕上がりをしています。ピクェの製造方法については、金属を焼いてそのまま押し込む、象眼のように彫りを入れておいて叩きこむ、裏面の鋲などでとめるなど、いろいろな説がありますが実際のところ、どのように作られたのかは、今でも不明のままで、書かれた資料もまったくないようです。一種の秘伝のような形で個人的に伝えられたのでしょう。多くのジュエリー職人たちが、ピクエを作り出そうと何度も挑戦しますが、その挑戦はすべてが失敗に終わり、ピクエは結局幻の技法となってしまいました。
こちらのネックレスはチェーンまでもべっ甲(トップと時代が違います)ですが、装いによって金属のチェーンやリボンに変えて楽しむことができます。
素材:べっ甲・Gold ・Silver
年代:1800年代後半
国名:イギリス